読書

【感想・要約】BRAIN 一流の頭脳|地頭を良くするには勉強より運動だよってお話。

みなさんこんにちは。

BRAIN 一流の頭脳」という意識高い本を読みましたので、感想・要約を書いていきます。

記事タイトルにもあるように、この本は「運動の重要性」をひたすら説いた内容になっています。

もちろん、ちゃんとした科学的根拠(エピデンス)に基づいて書かれていますので、その辺は安心して大丈夫かと思います。

それでは早速いってみましょう。

狩猟採集民の生活をベースに考える

本書では、狩猟採集民の生活をベースとして理論が構築されています。

脳は、身体を活発に動かすとドーパミンを放出して気分が爽快になるようにプログラムされている。それは、狩りが生存の可能性を増やすからだ。そのほか危険な猛獣から逃げたり、住みやすそうな場所を探したりすることも、生存の可能性を増やす。

脳は1万年ほど前からほとんど進化していないため、現代の私たちにも、このメカニズムが残っている。

そのため、祖先の生存の可能性を増やした行為と同じことをすれば、脳はそれを繰り返させようと快感を与えてくれる。

人類が農耕生活をはじめたのは進化の視点で考えるとつい最近のことですし、ましてや1日の大半を座って過ごす生活なんてここ十数年です。

そんな短期間で脳(と身体)が適応できるわけないのだから、元来の狩猟採集民の生活スタイルを真似して脳と生活を合致させましょう、ということですね。

これとまったく同じことが著書「最高の体調」にも書かれていました。

はじめにこの理論を読んだときは「なんか胡散臭いなー」と懐疑的でしたが、よくよく考えてみると至極もっともなことだと思います。本書を読み終えた後だと尚更そう感じました。

脳の基礎知識

脳はアップデート可能である

まずはじめに、「脳はアップグレード可能である」ことが下記の研究によって明らかになっています。

60歳の被験者を2つのグループに分け、1年間の経過観察をします。

  • 週に数回ウォーキングするグループ
  • 同じ頻度で心拍数が増えない程度の軽い運動を続けるグループ

すると、2つのグループはまったく異なる結果を示します。

MRIで脳の画像を確認したところ、ウォーキングしたグループだけ前頭葉と側頭葉、また側頭葉と後頭葉の連携が強化されたことを示しました。

つまり、ウォーキングが何らかの作用によって脳内の結合パターンに良い影響を与えたのです。

なお、本には「何らかの作用」も深堀して書かれてますが、当記事では割愛します。

ストレスは脳を破壊する

ストレスは脳を破壊する」ということも、研究によって証明されています。これはちょっと衝撃的ですよね。

正確には、ストレスホルモンの一種であるコルチゾールが慢性的(数ヶ月あるいは数年)に分泌されると「海馬」が萎縮。同時にストレスに対して海馬と同じような役割をもつ「前頭葉」も萎縮するそうです。

ここでもそのメカニズムについては割愛します。

運動が脳に与える作用

運動によってストレス耐性がつく

ストレスがどれだけ危険なものかか理解したところで、次にその対策です。

ここで運動が出てきます。

運動をすると、ストレスホルモンの「コルチゾール」は一時的に上昇します。なぜなら運動は身体に負荷をかけているわけで、その時ばかりは「ストレス」となるからです。

しかし、運動を続けているとその上昇が次第に抑えられていきます。しかもこれは「運動によるストレス」だけでなく「運動以外によるストレス」でも同じです。

つまり、ストレスそのものに耐性がついてくるのです。

運動によって集中力が向上する

集中力をあげるにはドーパミンが不可欠ですが、これも例によって運動で得られます。

また、ADHDの治療薬はたいていこの理論に基づいたものであるため、運動はADHDにも効果があるとのこと。

研究の結果、なかでも運動によって「行動の抑制」が効くようになったそうです(ADHDの人たちが一番苦手とすること)。

運動はうつ病にも効果がある

この本で一番推されていた部分だったように思います。なんといっても著者のアンダース・ハンセンが精神科医ですからね。

 

運動はうつ病にも効果があり、その効果は抗うつ剤と同等かそれ以上である、とされています。

ちなみに本書に記されている研究の内容をみると明らかに「それ以上」でした。抗うつ効果自体は同等ですが、その後のうつの再発率は抗うつ剤に比べて運動のほうが低い結果となっています。

 

ではなぜ「うつ病には運動が効果的」という事実が世間に広まらないのか? という疑問が湧いてきますが、それは単純にビジネスにしづらいからです。

噛み砕いて説明すると、うつ病患者が抗うつ剤を買ってくれれば医者やビジネスマンが儲かるけど、毎日ウォーキングやランニングをされても儲からないよねってお話です。

妙に納得しちゃいますが嫌な話ですね⋯。

 

ということで、ここでもうつに対する運動のメカニズムは割愛。

なお、1日20〜30分ほどの運動でうつ病に効果はあるそうです。なるべく心拍数の上がる運動が良いようですが、いきなりは難しい人もいると思うので、そういう人は軽いウォーキングからでもすぐに取り組むべきとのこと。

運動は記憶力を向上させる

もともと人間の脳はつねに萎縮していて、そのスピードは1年で約1%ほど。これは記憶力の中枢を担っている「海馬」でも同じです。

しかし、運動によって海馬は萎縮するどころか逆に成長することがわかりました。

運動のなかでも一番効果があったのは「有酸素運動」です。

ただし、記憶の種類によっては「筋力トレーニング」が有効な場合もあります。たとえば顔と名前を一致させたり、関連性を想起する「連想記憶」などがそれにあたります。

「脳細胞は一度死んだら二度と生き返らない」はウソ

脳細胞は一度死んだら二度と生き返らない」は多くの人が耳にしたことのある文句だと思いますが、これはまったくのウソであることが研究によって証明されました。

結論としては、「毎日約1400個の細胞が成人の脳の海馬で生まれている」とのことです。

1400個の細胞! と言われてもとピンとこないかもしれませんが、生まれてから死ぬまでに海馬の1/3は新しい細胞に変わっています。1/3ともなると、これは誤差とかそういうレベルの話じゃないですよね。

もちろん、この細胞の誕生を促進させるのも「運動」です。

まとめ:脳を鍛えるには運動しかない

運動によって得られるものをまとめると以下の通りです。

  • ストレス耐性
  • 集中力の向上
  • うつ病の改善
  • 記憶力の向上

本書にはこの他にも運動によって得られることとして

  • 学力の向上
  • IQの向上
  • アイデア(閃き)力の向上
  • 脳の老化防止

などが記されています。

いずれもエピデンスに基づいた内容ですので、信憑性は高いかと思われます(研究の内容までしっかり明記されています)。

 

内容的には「脳を鍛えるには運動しかない」と被る部分も多いのかもしれませんね。

まぁとにかく「運動は最強」ということで間違いないようです。運動がもたらすメリットは計り知れません。